【MMH6】 時間を忘れてターンを重ねるおもしろさはバッチリある

「Might & Magic Heroes VI」をプレイしているが、キャンペーンもスカーミッシュも相当な完成度。
ただ、完成度が高い反面、落ち着いた作りになっているので、「想像を超えたおもしろさ」はない。あくまでも「想像の範囲内で最高レベルにおもしろいゲーム」だ。


■スカーミッシュ
スカーミッシュはCPUを相手に対戦をするモード。
マルチプレイの練習という位置づけでもあるのだが、これ単体でも、シヴィライゼーションみたいな楽しみ方は出来る。

マップはジェネレート式ではなく、はじめから用意されている方式だが、サイズ別に種類も豊富。
地形は完全に同じだが、配置されているクリーチャーや宝(金やアイテム)に関してはランダム要素があるため、完全パターン化攻略にはならないおもしろさがある。

難易度設定は、マップ上のNPCと対戦相手を個別に Easy - Normal - Hard の三段階で設定できる。
私のような初心者だと、両方をNormalにしただけで、狭いマップでは勝ちづらくなるので「簡単すぎて遊べない」って事はなさそう。

また、スカーミッシュと同じルール&マップで対人戦もサポートされる。
ロシア版はネットワークのリージョンがロシアに固定されているので、普通に入れるチャンネルはロシア縛りになる。
英語で対人戦を楽しみたい場合は、英語圏から購入した方がいいだろう。


↑スカーミッシュはゲーム開始直後からの選択肢が多い。リソースを回収しつつ兵舎を建て、2ターン目から攻勢に出るのか、1ターン目からどんどん行くのかでも迷える。


■キャンペーン
シングルプレイのキャンペーンは、2ステージからなるチュートリアルが終わると5つの勢力に対応した、5本のキャンペーンがアンロックされる。
その後、いずれかをクリアすると隠し(はじめから見えるが)キャンペーンが追加で1本選択可能になる。
1マップあたり2時間は掛かるので、このボリュームで数十ステージあると思うと気が遠くなる。

ゲーム内容はスカーミッシュとはやや異なり、クエストドリブンの様相が色濃い。
リソースは毎ターン収入として入ってくるので、一見、時間を掛ければ有利に思えるが、敵の勢力も少しずつ強くなるので、一概には言えない。
チュートリアルでは、「時間を掛けすぎるとクリアできなくなる」みたいな説明もされたが、本当かどうかはイマイチわからない。


↑戦闘シーンは拡大マップで行われる。何の工夫もなさそうなスクウェアでのタクティカルバトルだが、ユニット同士の位置取りがかなり重要。
ヒーローのスキルやアイテムの比重はかなり大きい。2倍の戦力差をひっくり返すのは難しいが、僅差での勝利を圧勝に変える力はある。



↑城や要塞に敵が居る場合は攻城戦となる。門や壁を壊すまでの間、不利な戦いを強いられるので、戦力差を付けて望みたい。


■インプレッション
(ゲームの骨格としての)完成度は非常に高く、UIも快適にできているので、「ターンベースストラテジーを遊びたいな」という欲求にはバッチリ応えてくれる。
一方で、同種のジャンルをまったくプレイした事がない人には、「探索」「リソース集め」「キャラ育成」「軍団強化」の相互作用が分かりづらい部分もあるので、ちょっと難しいゲームかもしれない。

TBSとしては、さすがにElvenLegacyには劣るが、Disciples3やアメリ姫とは、互角かそれ以上の深みがある。

DLでの標準価格の50ドルは新作としては適正。
おまけの付いている豪華版は、ヒーローユニットと装備品のセットが付いてくると言うものだが、「余計に金払ってまで欲しい物ではない」というのが実際。ヒーローは自分で作成できるし、武器はチュートリアルでまずまずの物を拾えるので、「ないから不利」といった印象も薄いからだ。

30ドルくらいまで下がれば、ちょっと興味がある程度の人が手にとっても満足出来ると思う。
ロシア版の17ドルは非常に安い上に、(レジストリ書きかえでの)英語化も可能だが、メーカーからはロシア語限定版のつもりでリリースされているので注意が必要だ。パッチなどでロシア語限定に変化する可能性も残る。