Sins of a Solar Empire: Rebellion beta 拡張パック

SSE:Rebellionは予約すると、今実施中のBeta2に参加できる。
単純にSteamで買うか、他で買ったキーをSteamに登録すればOKだ。
beta2とは言え、最後まで問題なく遊べるので、気になる人は先行体験版としての利用も可能である。

30時間ほどプレイしたので、気付いた点を書き殴ってみたいと思う。

  



■前作との違い
本作で最も重要なのは、「新作ではなく、単体起動可能な拡張パックである」という点だ。
これが初めてという人にとっては、過去の3作が全部入っているので(※追加要素を抜くことはできないので、厳密には過去作で遊ぶことは出来ないが)、手に取りやすい反面、従来からのプレイヤーの視点では「あんまり変わってないな」という感想を持つことになりやすい。

以下がRebellionでの追加要素だ

・勢力の追加
3種族での戦いだったSSEから拡張され、それぞれの種族が主流派と反乱軍に分かれた。
つまり、3 x 2 = 6つの勢力での戦いとなっている。

コルベット級の追加
安価で高速だが、耐久力の低いコルベット艦が追加されている。
主な役割は海防艦としての偵察艦対策と、艦隊に随伴させてのミサイル艦、空母対策になる。

・タイタン級の追加
おおよそキャピタルシップ3隻分のコストで、1.5〜2.0倍程度の戦闘力を持つ、タイタン級の建造が可能になっている。
役割はキャピタルシップと同様に艦隊の中核になるだろうが、建造に手間が掛かることとコスパの面での折り合いがあまり良くない。
特にキャピタルシップ2隻分の司令部要員が必要なので、それならば、キャピタルシップ2隻の方が良いのではないかという気もしてくる。

・テックツリーの調整
勢力の追加に合わせて、テックツリーが少し変更されている箇所がある。
個人的に大きいと思っているのは、TEC主流派がミサイルの研究を進めていなくても、いきなり、惑星破壊砲の開発が行えるようになっている点。
2門出せれば、6分に1回、敵のあらゆる惑星を破壊(中立化)できる。

  

なお、すると言われていた(?)グラフィック面の強化は、久しぶりにプレイすると分からないレベル。
見た目で前作と区別するのは困難なゲームだと思う。



■おもしろいのか
SSEより詰まらないと言うことはないのだが、SSEよりおもしろいかと言われれば、あんまり変わらないなとしか言えない。
これは追加された要素が、あまりおもしろさに直結しないものだからだ。

特にタイタンシップは、先に出せば一隻で逆転可能なくらい強くても良かったはずで、ちょっとだけ強いキャピタルシップに留まっているのは、残念でならない。

また、SSEが本質的に抱える「勝敗が決してから、勝利条件が満たされるまでが長い」という問題には、何の解決策も見いだされていない。
特に有利側が慎重な戦略をとった場合には、露骨に酷いことになり、プレイ開始後30分で決まっているのに、勝利条件達成までにそこからさらに1時間必要とか言うことも、十分に起こりうる。

根本的に、運要素の大きい4xストラテジーなので、ガチ対戦には向いておらず、過程を楽しむ対戦を志向するべき。
ただ、プレイヤーのニーズはそこには向かっていないという構造的な破綻すら伺える。
この為、マルチプレイが主のゲームであるにも関わらず、野良マッチングが成立しづらいという欠点を内包している。



  

SSEは2作目(本体+拡張パック)の時点で完成されたゲームだ。
そこに、あってもいいかなと言う2本目の拡張パックが足され、そして今回、なくてもいいかなと言うべき3本目の拡張パックの登場となった。

テックツリーはやや分かりづらく、同じ効果がいくつものテクノロジーに分かれているなど相当古い作り(AoK)を引きずっている。
戦闘は宇宙戦を楽しめるが、一発の威力が低いユニットを多数使ってピュンピュンと撃ち合うのが常なので、大艦巨砲感は全くない。
クローズアップすれば、悪くはない見た目のゲームだが、操作性や視認性を考えた場合は、常にカメラを引いた視点でのプレイとなるので生かされていない。

ただ、RTS自体は年に何本も出るジャンルではないので、RTSが好きという人なら値段分は遊べるゲームだとは思う。
発売後に定価で買うと損なので、どうせなら、予約で購入してベータ2で遊び、好きに文句を垂れる遊びも味あう方が得だとも思う。

ちなみに発展性という点では、Rebellionより、Sword of the Stars2の方がポテンシャルがあると感じている。
あれはおもしろくなる可能性があるが、Rebellionには今以上をなかなか見込めない。