今年最後のラスボスだといいな

人によっては「そんなことないだろ」って思うかもしれないが、今年はエロゲー不作の年だったと思う。

確かに「グリザリアの果実」「穢翼のユースティア」あたりは、(エロゲーの)一般作としてちゃんと完成していた。
「カスタムメイド3D」のMODはおもしろい試みだった。
抜きゲーでも「STARLESS」「euphoria」「虐襲4」あたりは印象的だ。

それでも、一年を代表するゲームとしてはやや弱く感じてしまう。



■ボクの彼女はガテン系(以下略)
http://www.dmm.co.jp/digital/pcgame/-/detail/=/cid=elf_0018/

正式名称「ボクの彼女はガテン系/彼女がした事、僕がされた事/巨乳妻完全捕獲計画/ボクの妻がアイツに寝取られました。」は老舗のエルフが12月に発売したストーリー系のエロゲー

特徴的なのは、「ダウンロード販売専用」というあまり例のない売り方と、徹底的に事前情報を廃した「内容隠蔽販売方式」を採用している点。
後者については多くのストーリーゲーが少なからずそうなのだが、このゲームはメーカー側からの情報は、「ほとんどゼロ」という状況。高評価のユーザーレビューを目にしてもステルスマーケティングを疑ってしまうほど内容が分からない。
6800円という値段はフルプライスエロゲーのDL価格としては標準価格なのだが、洋ゲー基準で考えるとそれでも高く、購入を躊躇した。

結果的に、「ダウンロード販売のみ」という売り方を支援するって名目も含めて手に取ってみたわけだが、なるほどよく書けているという感想。
びっくりするほどのボリュームはないし、凄まじい程の名作感はないのだが、センテンスを短くした歯切れのいい文体で、ほどよく感情移入しながら浸(ひた)ることができるテイストは秀逸だった。

難癖を付けるなら、中途半端に選択肢による攻略性があるせいで、比較的無難な選択肢を選び続けた場合、チャプター2が終わった時点で(有り体に言う所の)ハッピーエンドになってしまう点。
はじめから解放されているイベントリストなどが1/5ほどしか埋まらないので、これで終わりでないことは容易に気付くのだが、やや分かりづらい。
1回目のプレイでそのエンディング引き当てた場合は、もっと容易なアプローチで本編突入出来るようなシステムの方がよかった。(例えば、タイトル画面でいきなり別の選択肢が出ているとか)
ゲームを攻略して楽しむゲームではないので、一回普通にプレイして体験的に遊んだら、次からは攻略サイトを参照するのもありだろう。

気になった人がレビューを見てネタバレしてしまうと、作品の持つ「先の展開が気になる」って部分が台無しになってしまう。
この「先を想像しちゃうけど、本当にそうなるのか気になる」ってのはこのゲームのおもしろさのコアの部分なので、特に注意して欲しい。

良作水準はあるので、買うかどうかのギリギリで迷っているなら、私を信じて買ってみてもいいと思う。



White Album 2
http://www.dmm.co.jp/digital/pcgame/-/detail/=/cid=aquap_0005/
 
ホワイトアルバムっていうと、雫、痕、To Heartを当てたあとのLeafの新作として話題になったタイトルだが、実にその発売は前世紀末。
640x480の256色という仕様で、キャラクターボイスもないというゲームだった。
本作では2と銘うって居るものの、基本的に別のゲームなので、前作の記憶のあるおっさん連中は先入観に囚われない方がいい。
そもそも本作は前作のようなアイドルものではないし、前作が「AVG+SLG」だったのに対し、本作は普通の(マルチエンディング)AVGである。

去年の春に序章が発売され、この12月末に完全版が発売されるといういわゆる分割商法であまり感じはよくないのだが、「言いしれぬ大作感」を感じたのと、ダウンロード販売がパッケージ版と同日だったので購入してみた。
価格は8190円と高い。ドル換算すれば100ドルを超えるので、フルプライスのゲーム2本分くらいに相当する。

こちらはこれからプレイするのでおもしろいかどうかはまったく分からないが、とりあえずボリューム感は確実にあるようなので、年内かけるつもりでゆっくりプレイしたいと思っている。
(すれちゃってるのか)プレイ前に楽しみに思うゲームは多くないのだが、これはその少ない一本だ。