【Disciples III (Disciples3) Renaissance/Resurrection】 こんなにも美しく、こんなにも醜い

主観的で独善的、時に妄想も混じった個人ブログ。
多様な環境の事なんて、試せないから分からないし、準商業ブログみたいなのを期待して貰っても無理だよ。
Googleの広告も無料ブログの代償として付いてるだけ)

ま、それはそれとして、本編に移ろう。

■非常に美しく、荘厳な雰囲気に満ちたストラテジー
「Disciples III」とその拡張パック「Resurrection」は身も蓋もない言い方をすれば、「Heroes of Might and Magic」シリーズを大いに参考にしたタイトル。

つまり、ターンベースのすごろく方式で、全体マップを探索し、金やアイテムを手に入れ、敵と遭遇すると戦術マップ上で部隊戦闘をする。
本拠地で拠点のパワーアップをすると、より上位のクラスに転職出来るようになるという仕組みのゲームである。

まあ、このシステムは(多少古いなりも)確立したスタイルだと言える。
日本のゲームで例えるならタクティクスオウガ系みたいな感じなので、パクリと断じるのは思慮が浅い。

その中で、Disciples IIIのカラーを出しているのは、その卓越したアートワークだ。
これはどこかバタ臭いHoMMとは一線を異にして、「スクリーンショット買い」しそうなほど素晴らしい。実際、前作パッケージ画のエルフのオネエチャン(すぐ下の動画の一番最後の人)を見て興味を持った人も多いのではないだろうか。

またサウンド面もあり得ないほど素晴らしい。
Youtubeにいくつかアップされていたので、例を示すと、

・エルフ族アートワーク&サウンド

こんな感じ。この絵とサウンドでゲームできるってだけで買いたくなる。


■ただし本編のゲームバランスはかなりいびつ
とここまでは素晴らしいゲームなのだが、このゲームが一級の評価どころか、Bランクにも入りきれないのには、そのゲームシステムが破綻しているからだ。

NORMAL難度を例に取ると、まず敵が強すぎる。
通常、RPGスタイルのゲームというのは、勝てる敵を見つけて勝利することで徐々に強くなり、倒せなかった強敵を撃破出来るようになるという仕組みだ。
このゲームでも流石にそれは踏襲されているのだが、その雑魚がイチイチ手強いのである。質の悪いゲームマスターが出してきた、意味なく白熱する雑魚戦の様な感じである。

雑魚戦ですら、味方ライフの残量と敵行動回数を慎重に吟味し、時にマップをぐるぐる回りながら誘導しつつ、遠距離から別ユニットでペチペチするといった、「ガチの対応」を求められる。
ゲームにおける敵の手強さというのは、コントラストによって引き立つモノなので、常に敵が強いゲームの場合、その付近に限界があり、ボスがボスとして引き立たなくなってしまう。

ところが、このゲームの場合、ボスはボスとして雑魚より遙かに強い。

こちらがレベル20くらいの時に、レベル70位のボスが出てきたりするのだ。
雑魚戦で手一杯なのに、それよりも強力なボスをどう斃すのか、そのプロセスにロマンを感じるマゾだけがこのゲームを楽しむことができる。

もちろん、ゲームなので当然、斃せるように出来ている。
アイテム、魔法、味方の編成やポジショニング、誰がどう喰らい、それをどの様に癒すのかなど、ゲームを構成するすべての要素を組み合わせれば倒せる。

これをステージ1からいきなり要求される。
それ故に、絵買いした多くの勇士たちは、早々にして殲滅されてしまうのだ。

また、せっかく育てたユニットも、部隊長(=複数のユニットで1部隊なのだが、その中の隊長格)以外は、1ステージ単位での使い捨てだ。
どういう事かというと、次のステージでは、またレベル1から育て直さなくてはならないのだ。
その反面、部隊長格に関してはレベルを引き継げるので、可能な限り時間を費やせば、相当なところまで強化できたりと、いびつな作りなのだ。

※ちなみに経験値マネージメントの要素もあり、序盤から部隊を多く出し過ぎると、獲得経験値が分散し、「エース不在ゆえにボスが倒せない」という悲劇も起こる。

■オラ、なんかワクワクしてきたぞ!
ここまで説明を読んで「なーんだ、手応えのあるおもしろそうなゲームじゃないか!」って思った人は騙されている。
いっそ、騙されたまま、メタスコア56のガチ微妙タイトルに突撃してみて欲しい。

購入は、Steamに代表されるDL販売各社で行える。

本編にあたるのは http://store.steampowered.com/app/33670/
「Disciples III: Renaissance」でSteamでの価格は約20ドル。
帝国(人間)、魔族、エルフの三つのキャンペーンが収録されており、全19ステージ。
メーカー公称70時間程度のボリュームがある。(コンプしてないのでホントかは分からん)

また拡張パックとして http://store.steampowered.com/app/200670/
「Disciples III: Resurrection」が昨日でた。steamでの価格は約30ドル。
アンデッドのふたつのキャンペーンが収録されており、同じく70時間程度のボリュームらしい。
(初期状態で選べるのはひとつのキャンペーンだけ、後から選べるようになるのか、うそなのかはちょっと分からない)

拡張パックも単体で起動するスタイルで、ストーリー的にはこれから遊んでも違和感はないが、ゲームシステムは共通なので、前作であるRenaissanceからのプレイを強くお勧めする。