ゲームをいつ、どこで買うのか

ゲームをいつどこで買うのかって言うのは、割とアンテナを高く張っている人でも迷いのある要素だと思う。
TES5の欧州リリースを待ちながら、今日はその辺の話をしてみたい。



■なぜどこで買うのか迷うのか?
「同じ物なら、どこで買っても同じ」筈なのだが、ゲームの場合は、購入する方法によって「同じ物ではない」という場合がある。

洋ゲーをプレイする場合、特殊な事情がない限り、
日本語→英語→その他の言語
の順にプレイしやすいのだが、購入方法によって、選択できる言語に差が出てしまうのである。

・建て前
各国リテイル版:その販売地域の言語を含んでいる。他は適当。
Steam版:基本的に、multi5やmulti7/8での販売。
その他DL版:Steam版と同傾向。

っていうのが、建て前なのだが、すべての物事でそうであるように例外も存在する。
また、発売日や価格が微妙に異なってくる。

・実際の傾向
米Steam版 : 発売日は北米。multi5/7/8。米在住でないと買えない。
日Steam版 : ほとんどの場合、米版と同じ。日本語が絡むと発売日や仕様が混迷する。
米リテイル版: Steam版と同傾向。
英リテイル版: Steam版と同傾向だが、発売日が欧州版として速い場合がある。
露デジタルリテイル版: 英語が入る場合、ロシア語のみの場合、日本語すら混ざる場合が混在する。発売日はだいたい欧州と同じ。安い。
露リテイル版(キー版): デジタルリテイル版と同傾向だが、露語のみの場合が多い。安い。
日リテイル版:英語版と日本語版で明確に分かれる。



■どこで買えばいいのか?
ユーザー側のニーズは、「可能な限り遊びやすい言語で」「可能な限り安く」「可能な限り速く」プレイしたいというもの。
つまり、考え方としては以下の3パターンになる。

・言語重視
日本での日本語パッケージ版であれば、間違いなく日本語で遊べる。
しかし、値段は別バージョンの数倍するし、発売日も非常に遅い。
コンソール版を選択する事も可能だが、PC版と比較した場合、(ハード性能的な面で)劣化版であることが普通。

・値段重視
露版が安い。
ただし、Steamなどを併用する場合、ロシアからの接続でないとSteamに登録出来ない場合が多い。
また言語仕様がマチマチで、英語でプレイできるかは博打に近い。販売サイトが英語選択可能と説明していても、「それが間違っている」なんて事もある。
ごく希に露版にだけ、日本語が含まれているなんて事もあるが、そこに期待するのは借金してギャンブルするような感覚に近い。

・発売日重視
タイトルによって、北米と欧州でリリース日が異なる場合がある。
この為、アメリカ版とイギリス版で早いほうを選んで買うのがよい。
リテイルは発送分だけ確実に遅いので、DL購入が適している。


まあ、こんなのは説明するまでもない当然の事なのだが、これらの三要素が複雑に混在しているので、「極めて分かりづらい」状況になる。
それぞれのタイトルで「どこを重視するのか」を自分で厚みづけし、それぞれに適した購入方法を選ぶといい

具体的には、

「すげー期待作で、ゲームを楽しむにはストーリーの理解が欠かせないから、絶対日本語版がいいな!」→日パッケージ版かコンソール版を選ぶ。

「まあまあの期待作でできれば日本語で遊びたいけど、高い金を払うのは嫌だし、そもそもとっとと遊びたいよ!」→Steam版を選ぶ。

「ちょっと興味あるタイトルで、ロシア版にも英語が入ってる気がするッ!!(根拠のない勘)」→露デジタルリテイル版を選ぶ。

と言った感じであろう。
露版は完全ロシア語版だった場合には、「まるで遊べない」というリスクがあるので、「実際にプレイして楽しみたい」という場合にはオススメしない。
出来れば遊びたいけど、遊べなくても構わない」という「なんなのそれ」っていう不思議なニーズに即した購入方法だ。

ユーザーそれぞれで重視する要素が違うので、ベストな購入方法も当然異なる。
だから、
「露版でも英語入ってるのに、Steam版とかアホじゃないの?」とか、
「数倍高い日本リテイル版なんてないわー」などの発想は、自分にとってはそうだったとしても、別の人にとってはそうでもなかったりする。
重視する項目によってリスクマネジメントの手法が違うのだから、すべての人が納得して金を払っているに過ぎないのである。



■まとめ
かつては、英パッケージ版を輸入して楽しみ、そのゲームが気に入ったら、後から発売される日パッケージ版も追加で購入して深く楽しむというのが、ガチゲーマーの標準的スタイルだった。

ところが昨今では、英語版の価格が崩落しているので、日本語パッケージ版との価格差が付きすぎて、「買い直しがアホくさくて付いていけない」という状況になってきている。
日本で日本語リテイル版を展開している代理店には、一層の努力を期待せずには居られない。

※私個人としては、「日本語言語パック」という形で、別途入手した英語版対して利用する「パッチを売る」形での日本語版販売が、あらゆる立場の者にとって有益だと考えている。