COOPプレイの話

ここ数年で進歩してきたゲームのプレイ方式にCOOPプレイと言うものがある。
直訳すれば「協力プレイ」とでも言うべきこの遊び方は、ファミコンで同時プレイしたあの感覚を、ネットワークを介してプレイすると言うものに近い。

ゲームは一緒に遊んでいる人が居ると100倍楽しくなるのだから、これを楽しまない手はない。
今日はその辺の話。



■COOPプレイとは
COOPプレイが単なるマルチプレイと異なる点は、ゲームデザインの時点で協力プレイを意識している点にある。
単純に考えて、ひとり用のシングルプレイをふたりでプレイしたら、火力は2倍だし、ライフも2倍になるので、話にならないくらい簡単になる。

そこでCOOPプレイを謳うゲームでは、COOP用のバランス調整が行われている。
この方法には幾つかあるが、最近のゲームでは「そもそもシングルプレイの状態で、プレイヤー+仲間でプレイするようにしてある」ゲームが増えつつある。つまり、自分の操作するキャラ以外はCPUが操作し、シングルプレイであっても、COOPプレイのゲームバランスのままプレイできるというスタイルだ。

また、複数キャラで操作するオブジェクトを配置したり、一方がやられてしまっても生きている方で救助できたりなどの、「掛け合い」をシステムとして導入しているゲームも増えてきている。

この様に、「単にマルチプレイできるだけでなく、COOPプレイを意識したゲームデザインとなっているもの」をして、COOP可能ゲームと呼ぶ。



■Kane & Lynch 2 の例
 
ちんちん丸出しの全裸状態で1ステージまるまる遊ぶことが出来る世界で唯一のサードパーソンシューターである「Kane & Lynch 2」は、ケインとリンチのふたりで常にプレイするゲームだ。
この為シングルプレイでは主にリンチを操作し、ケインはCPUがそれなりに動かす。
COOPモードではシングルと同じシナリオ&システムだが、相方のケインを一緒に遊んでいるプレイヤーが操作することができる。

このタイプのゲームは「COOPプレイをすると本来のおもしろさが出る」タイプのゲームが多く、本作でもCOOPの方がシングルよりおもしろい。
これは言い換えれば、シングルプレイでは本領発揮できない場合があると言うことで、どうせプレイするのであれば、同行者を用意してプレイに臨みたい。



■SprinterCell Conviction の例
 
このゲームは一般的なシングルプレイモードと、COOPプレイモードがまったく別のものとして用意されている。
一応、COOPプレイモードはひとりでプレイするモードがあり、この場合はCPU操作なしの完全ひとりプレイになるが、これはおまけという扱い。

ゲーム自体がステルスアクションと言うこともあり、「相手に合わせて同時に敵を排除する」だとか、「追い込まれた仲間を別ルートから支援する」などの要素は無理なくゲームシステムとしてとけ込んでいる。
この様にCOOP用に調整されたシステムの場合、COOPプレイのおもしろさは、シングルプレイをなぞるだけのゲームよりも一層引き立つ。



■PAYDAYの場合
PAYDAYは4人COOPを主体にしたゲームで、シングルプレイはおまけという扱い。
この「おまけ」という扱いが少しややこしいが、このタイプのゲームは「ひとりプレイではまともに遊べない」事が多い。
これはCPUが3名分を動かすとしても、人間の操作するプレイヤー3名用にデザインされたゲームバランスを、単なるアルゴリズムに動かさせるには荷が重いからだ。

反面、COOPプレイに関しては最大限の援助がシステム上可能で、プレイヤー同士がうまく協力しないと越えられないような難関や、事前の作戦立案が効果を発揮するようなシーケンスも用意されている。



■安定してCOOPを遊べるのか
単純に言ってCOOPプレイは楽しい。
楽しいのだが、相方が必ず必要になる。
多くのゲームではマッチング機能を用意しており、野良プレイに対する配慮は伺える。しかし、「見ず知らずの人と協力プレイをする気色悪さ」というのは、常について回る。

気を遣いすぎても楽しみづらいし、かといって、てんでバラバラに動いていたのでは逆にストレスだからだ。
この為、「まったく見ず知らずの人とのCOOPプレイは、問題がある」と言える。

Left4Dead2程度まで単純化し、誰と遊んでも似たような事をしていればどうにかなるゲームであれば、さほど気にする事もないが、COOP本来の良さを引きだそうとすればするほど、野良COOPの弊害は大きくなる傾向にあるわけだ。

すなわち、COOPプレイを行えるゲームが存在する以上、ゲームを楽しむのであれば「一緒に遊んでくれる人」という存在が非常に重要になる。
学生であれば、同年代で同傾向の友人、知人が比較的豊富なので問題にはなりづらいが、社会人の場合、これは結構キツイ。
この為、COOPプレイが可能なゲームであっても、現状、なかなかこれを楽しめずに居る人はそれなりに多いと考えている。

これを補うツールには、IRCスカイプツイッターなどがある。
これらのありとあらゆるツールを利用して輪を広げ、共益関係を築いていくことで、よりゲームを楽しめるようになるわけだ。
ただ、「知り合いレベル」であっても、相手には相手の都合があるので、いきなり「今からCOOPやりませんか?」ってのは厳しい。
都合のよい時間を告知して打ち合わせるなどして、スムーズなプレイが出来るように心がけたいと同時に、ゲームシステム側でCOOPマッチングに対する先進的かつ合理的な仕組みを構築できないかに期待している。

※360やSteamでの、フレンド登録しておけば、同じゲームをプレイしているのが分かるって部分をもう半歩進めて、ステータスに「○○のゲームでのCOOP希望」状態でも作ればいいんじゃないかと思うんだけどね。