TES5: Skyrim どちらのバイナリを使うか

日本語版が出たので一番はじめからやり直している。
心配されていた日本語ローカライズの品質も、「これからもこの調子で頼むわ」くらいのクオリティは十分にあるので安心と言ったところ。
MODも普通に使えているし、かなりよい滑り出しだ。

ところが、そんな日本語版にもひとつ大きな落とし穴があった。



■日本語版のプログラムは英語版のものより古い
現在英語版の実行ファイル「TESV.exe」の最新バージョンは「1.3.7」だが、日本語版として提供されている実行ファイル「TESV.exe」のバージョンは「1.1.21」だ。
これは英語版の「1.1パッチ相当」になる。

つまり、バージョンふたつ分の不具合対応が成されていない古いバージョンだと言うことだ。
バージョン1.2はいわゆる「バグパッチ」で、あてない方がマシという代物だったが、バージョン1.3はクラッシュ対応を含む安定性の向上や、魔法抵抗が正しく計算されていなかった問題への対応など、比較的プレイングに関わる更新内容を含むパッチだ。
日本語版ではこれが適応されないので、つまり、「よく落ちるし、魔法抵抗の計算もおかしいゲーム」と言うことになる。
 
 
 これとは別に、1.2で当たったドラゴンの死体が消えないことがある対応なども

TES5の場合、英語版の実行ファイルを日本語版に上書きコピーしても実はそのまま使える。
なので、英語版の最新実行ファイルをSteam経由で取得し、それを日本語版に上書きしてやれば、最新の状態にすてプレイすることが可能だ。



■英語版実行ファイルの落とし穴
と言うわけで、英語版としてSteamを設定しておき、日本語リソースを上書きして「見た目は英語版だが、中身は日本語版だぜ仕様」でプレイすればいいじゃないかって話になる。
こうしておけば、更新によってバイナリが修正されても自動的に更新されるので、常に最新版でプレイできるという恰好になる。

ところが世の中はそれほど単純ではない。
日本語版の「バージョン1.1.21」は「英語版の1.1.21+日本語対応」のバイナリなので、英語バイナリを使用すると、そこでされている対応が落ちてしまうのだ。

恐らく幾つかの箇所で発生すると思われるが、とりあえず、マップ移動時に表示されるテキストは確実におかしい。

 

こういう表示不具合のいけない所は、ローカライズが悪いのか、非正規の実行ファイルを使っているのが悪いのかの切り分けが出来ない所だ。
バグや翻訳に対して、意見を言いたいのであれば、日本語実行ファイルでプレイしなくては筋を通せないのである。



ウルトラCの日本語音声化
最新バイナリを使いつつ、ストーリー展開を楽しむ究極の方法もある。
それが英語版の日本語音声化だ。

字幕やユーザーインタフェースは英語のまま残ってしまうという大きな欠点はあるが、会話の内容は日本語吹き替えの形で理解できるし、クエストの内容程度の英文であれば英語でも恐らく問題にならない。
何より、人名やアイテム名などの固有名詞を英語表記のまま扱えるのはメリットでもある。

やり方は、
(1)日本語版としてファイル一式を取得
(2)英語版としてファイル一式を取得
(3)(1)から、「Skyrim - Voices.bsa」と「Skyrim - VoicesExtra.bsa」を英語版の同名ファイルに上書き
というシンプルなもの。

残念なのは英語のままではとても読む気のしない本も英語表記になってしまう点。
ローカライズされたファイルは混然としているので、必要な箇所だけ抜き出して、言語設定するのは相当に大変なのだ。



■好きな楽しみ方を探そう
「日本語で遊ぶ」という選択をした場合、現状、どの方法にも利点と欠点がある。
なので、どの方法が一番いいかなんてのは断言できない。

そもそも、日本語バイナリのバージョンが英語のそれと比べて古いのが悪いのだ。
それさえなければ、英語バイナリを持ってきて使うなんて事に、ひとつの意味もなくなる。

TES5は元々、リリースバージョンの段階でも、RPGとしてはかなり完成度が高い部類だったので、「1.1バージョンでも許容範囲」なのだが、今後、日本語版のバージョンが1.1で止まる様な事になれば話は今よりも深刻になる。
ベセスダにはパッチやDLCの展開も、各国で同時を心がけるようにして貰いたい。

TES5の日本語版は英語版よりバージョンが古い」を流行らせて、プレッシャーをかけていくしかない。