Vitaを買うなら先にこっちだろ

ラビリンスの彼方」をプレイしたくて3DSが欲しいなと思った。
ところが発売日にチェックしたらソフト側が売り切れだったので、本体と評判のタイトル「モンスターハンター3G」を購入してみた。

 



■画面サイズや画質について
・解像度について
画質に関して、買う前の印象としては、今までのDSとさほど変わらないと思っていたのだが、実際にはそんなことはなかった。
低解像度であるというマイナスイメージは、PSVitaスマホなどの解像度との比較をしているためであり、従来機との比較の上では、しっかりと高解像度化&大画面化がなされている。

 

上画面の解像度は、左目用、右目用をあわせて横800ドットなので、実際には400x240ではないかという話もある。
しかし、モンハン3Gで試す限りは、「ソフト側の3D設定をON、ハード側の3Dスライダを最低(立体視表示なし)」にすることで、800x240での解像度で描画を行う様になる。
(ソフト側で3D設定をOFFにすると400x240固定になる)
3D描画を行うソフトに関しては、ハード側の機能で800x240に対応すると考えてよいのかもしれない。

ラビリンスの彼方では最大400x240だった。ソフト側の作り方依存っぽい。

立体視について
知っての通り、上画面は立体視に対応している。
立体視は25〜35センチほど画面を離した状態で、真正面に構える必要がある。これ以外の距離、角度では画像が二重に表示されてうまく立体視できない。
雰囲気としては、本などで絵が横に並んでいるアレ(平行法立体視)をハードアシストで行うような感じ。(距離によっても異なるが)ある程度は眼の側でフォーカスをあわせる必要があり、ごく自然に立体になるという感覚ではない。

ただし、正しいポジションで構えた際の立体視は、想像よりも綺麗で、3Dの映画を対応した映画館で見るのに近い形式の立体を楽しめる。
具体的には、奥側へ向かって段階的にレイヤーを重ねたような絵づくりになる。

ゲーム的に意味があるのかと言われると、「あるな」って言うのが正直な所。
奥行き情報が本当に視覚的に伝わるのは、なかなか侮れない。



■ボタンの操作性に関して
3DSから新たに追加されたボタンとして、左親指で操作するスライドパッド(アナログパッド)の存在が大きい。
もちろん同じ指で操作することになる、十字キーとは排他的な関係になる。
しかし、360のコントローラーの用に、キャラ操作をアナログ、メニュー操作を十字キーに振るなどの使い方が可能となる為、効果は大きい。

ボタンの入力感覚はクリック感が少しあるタイプで、個人的にはかなり好み。
ストロークも適切に調整されており、全く問題ない。

一方でスタートボタン、セレクトボタンだけは、下パネルになめらかに隣接する形で配置されており、ボタンとしての出っ張りがない押しにくい形状になっている。
位置、ストローク、スイートスポットのすべてが悪く、この為、これらのボタンを積極活用するようなゲーム設計は事実上不可能になってしまっている。
はっきり言って、右下に独立して配置されている、電源ボタンの方が数倍押しやすいのは問題である(指の届かない位置で堅めなので、誤って押してしまうことはない)。



■ネットワーク機能について
wifiでのインターネット通信に対応している。
私はメルコ(バッファロー)の無線LANを使っているので、AOSSによる接続が行えるのだが、ルーターのソフト側でAOSS探索をかけると、何度行っても正常に接続完了できなかった。
ハード側のスイッチでAOSS探索をかけるとうまく行くので、「どうにもならない」って事はないのだが、やや分かりづらい。

一方で(AOSSなどの)アシスト機能を使わない場合、「初めての経験(ちょっとエッチな響きだ)」かつ「機械に苦手意識がある」人にとって、無線で繋ぐ作業は相当分かりづらい。
何桁ものIDを手動で打ち込まなくてはならないし、そもそも、どこに何を設定したらいいのかも経験として知らないからだ。
この為「分かる人にやってもらう」という解決方法が非常に重要になるだろう。

ネットワークに接続して出来ることは、ゲーム独自のDLC(無料のものが多い)を入手したり、有料のダウンロード専用ゲーム(数百円)を購入したりになる。
オンライン対戦をインターネット経由で行う事は(ゲームにもよるだろうが基本的に)できない。
本体を持ち寄って、しゃべくりながらワイワイ遊べってコンセプトがあるのだろう。実際、ボイチャサポートもなしでのオンラインプレイはマニアックに過ぎると想像できる。



■今後の展開などについて
ソフトが揃わない状態で発売して爆死しかけた3DSであるが、夏のテコ入れ値下げで15000円となった。
金の価値は人によって違うので一概には断定できないが、(実売で)遊びたいソフトとセットで2万円を切る価格と考えてよく、お値打ち感はかなりある。

ソフトラインナップも充実されつつあるし、そろそろ購入の頃合いではないかという印象を持っている。
(だから、買ったんだけど)

気になるのは、「新モデルが出るのではないか」という部分。
安易に予想できるのは、「右スライドパッドやボタンを追加した拡張モデル」あたり。立体視やカメラ機能をしぼった廉価タイプの登場はないと考えている。
スタートボタン、セレクトボタンの問題はあるのだが、拡張スライドパッドがたった1500円で売られている現状を考えると、「いつ出るか分からない新モデルを待つ」という発想はイマイチパッとしないと思われる。

まとめると、「DSっぽいチープな印象」を持っていたのだが、「実際には思ったより品質の高いものだった」というハード。
(2GBとはいえ)必要になるであろうSDカードや、(特になくても充電可能な)充電用クレードルが同梱されているあたりは、任天堂の本気とやさしさを感じる。