【FORZA4】 Fクラスで速い車を作る

オートマッチングがちゃんと機能するマルチを備えたレースゲームは多くない。
FORZA4はやや大味な集め方ながらも、これがうまく実現できており、クルマの性能とドライバーの腕の両方が要求されるレースを楽しめる。

今回はマルチでもキャンペーンでも使える、クルマのセッティングとチューニングについてだ。一番下のランクであるFクラスを例にとって解説する。
知識レベルは、単にゲームが好きなおっさんを想定しているので、うまい人は鼻で笑ってくれてもいい。


■遅いクルマでは勝てない
2秒考えれば分かることだが、PI(=パフォーマンスインデックス、クルマのアップグレードの度合い)が200までのFクラスの戦いで、PIを200未満で出場して勝つのは難しい。
プレイヤーのドライビングテクニック勝負になるのは、「ほぼ同じ性能のクルマ」に乗っているのが前提だからだ。

ほぼ同じ性能というのは、同じプレイヤーが鈴鹿西トラックでタイムアタックをした際のタイム差が最大でも1秒以内のクルマである。
と言うことで、ゲームはじめにいきなり手に入れられ、プレイヤーの腕の差がさほどでないFクラスを使って、アップグレード&チューニングの方法を見ていこう。


■FORZA4における速いクルマとは
このゲームに限らず、クルマの速さには3つの定義がある。
それは「ストレート速度」「コーナーリング速度」「加速性能」だ。

・ストレート速度
長い直線でどれだけ速い速度を出せるか。
最高速度が160キロと180キロのクルマが長い直線で戦えば、多くの場合180キロの側が相手を抜き去ることができるだろう。

・コーナーリング速度
カーブや、連続するカーブをどれだけ速度を維持したまま抜けられるか。
グリップのよいクルマは速い速度でコーナーを抜けられる。速い速度でコーナーを抜けられれば、例え最高速では劣っていても、トラックを一周した際の平均速度が勝る場合がある。

・加速性能
スタート直後、コーナーからの立ち上がり、ストレートでの加速と加速性能が要求されるシーンは多い。
減速してコーナーを抜けた後の加速が鋭ければ、単純に有利である。

セッティングとチューニングは、この3点を手持ちのPIの範囲内でできるだけ高めるという作業である。


■素材となるクルマ選び
FORZA4では前作ほど、ベース車による差は少ない。
もちろんクラスがあがっていけば、バリエーションが増えるのでこの限りではないと思うのだが、Fクラスのクルマについては近い性能を持っている。(そもそも、そうなるようにPIが付けられている)

何を選んでもいいのだが、アップグレードを楽しむのであれば、ベースのPIが低いものから選択するといいだろう。PIがはじめから高いクルマは、それだけ選択できる幅が狭くなってしまうからだ。

ここではPI=102で最軽量車種であるプジョー107を選ぶことにする。
※ちなみに重いクルマは軽量化の際の軽減が大きいので、純粋に大きく不利という訳ではない。


■基本的なアップグレード
基本的なアップグレードとして、ホイールを軽いものに交換し、タイヤを「コンパウンド(レース)」に履き替える。
その上で最大限の軽量化を行おう。
ボディーは当然として、スタビライザーやブレーキ、クラッチ、ドライブシャフトなど、PIに(ほとんど)影響を与えない項目で軽くできるものはすべて軽くしてしまおう。

軽量化とタイヤのグリップアップは、ストレート、コーナー、加速のすべてをアップさせる素晴らしいアップグレードだ。
イメージとしては、デブがやせると、足が速くなるといった所。

一見、エンジンを強化した方が速くなりそうなイメージがあるが、パワーのある心臓を持っていても、それを地面に伝える足腰が弱かったり、体がそもそも鈍重では相殺されてしまう。
もちろん、体の重さを凄まじいパワーでカバーすることも可能だが、重いクルマは操作が難しくなり扱いにくい。同程度の平均速度を出せるなら、コントロールが簡単な方が乗りやすい。

こんな簡単なアップグレードをするだけで、ベンチは以下のように変化する。

 ・デフォルト
  0-97加速:14.200秒
  最高速度:158.4Km/h

 ・軽量化&タイヤ強化
  0-97加速:13.243秒
  最高速度:159.2Km/h

直線を仮想的に走らせるだけで1秒違うというのは相当大きい。


■ギア比、サスペンション、リアウィングを変更可能にする
次にギアボックスを「トランスミッション(レース仕様)」に変更し、サスペンションを「スプリング/ダンパー(レース仕様)」に改める。
また、リアウィングも「調整可能方式」に変更する。

トランスミッション(レース仕様)
ギア比の配分を細かく設定できるようになる。
加速性能を高めたり、(慣れてきてからは)トラックの特性に応じてギア帯域の調整を行えるようになる。

・サスペンション(レース仕様)
サスペンションの特性を変化させ、車高の調整が出来るようになる。
調整は好みの範疇でもあるのだが、ベース車固有の特性を抜くのにも使える。
車高は低い方が安定性が高まる。

・リアウィング(レース仕様)
リアウィングはダウンフォースを増加させる為の装備。
リアウィングを付けると調整で一番ダウンフォースが少ない状態にしても、デフォルトよりもダウンフォースが稼げる。
この為、直線では遅くなるのだが、すべてのトラックは複数のコーナーを持っているので、ウィングは付けた方が速い。


■エンジン周りを強化する
あとは残ったPIを使って、エンジンの強化を行う。
カムシャフト以外はどれを選択しても大差ないので、PI195〜200になるようにパーツを載せ、最後にフライホイールの軽量化かで200ピッタリにするといいだろう。


■ギア比を調整する
とりあえず、ベンチをとり、タイムをメモする。
ひとまずの基準がこれになる。

次にチューニング設定からギア比のページを開き、ファイナルドライブの値を4.00に設定する。
あとは個別のギアで0〜最高速までが6分割されるように割り振っていく。

・割り振りのポイント
基本的にベンチの0-97が立ち上がり、0-161が戦闘速度の目安になる。
このタイムが短くなるような組み合わせをしていけばいい。
4速で110キロ。6速の最高で170キロ程度になるように分割するといいだろう。


■走行セッティングをフラットにする
・アライメント設定
キャンバー角、トーの調整は前後とも「ど真ん中」にする。
キャスター角は一番左(1.0度)にする。

キャンバーやトー、キャスター角はそれぞれに意味があるのだが、前後のバランスによって特性が変わるものなので、調整する前に一貫した基準を作って体得しなくてはならないからだ。

キャンバーは0.5のネガティブが基準だろ」と思う人は、そこを基準にして貰って構わないが、フロントとリアの値は揃えた方がいい。
前後のバランスが重要な項目を、はじめからずれた状態で基準とするのは、よほど詳しくない人以外がやると、分かりづらくなるだけだ。

ちなみに、キャスター角の一番左は、ものすごく極端なセッティングに映るかもしれないが、クラスFのクルマであればキチンと走りやすいセッティングになるので心配無用だ。
(むしろ適当な値にするより走りやすい)

・スタビライザー
スタビライザーの設定は、フロント、リアともに一番右にする。
スタビライザーも基本的に前後のバランスで挙動を変化させるものなので、前後をあわせておけばどこでもいい。

気持ち、ソフト側で合わせると旋回性能が増し、ハード側で合わせるとコーナーでの安定性が増すような雰囲気はある。(微妙なのではっきりとは分からない)

・スプリング
スプリングはフロント、リアともに90Kgf/mmで統一。
車高は一番左にする。

スプリングを前後で統一させるのは他の項目と同じ理由。車高は底打ちしない限りは低い方が安定性が増すし、FORZA4では滅多に底打ちしない。
特定のトラックで不都合がでたら、少し上げる様な調整でいい。

・減衰力
リバウンド減衰力は、フロント、リアともに8.0とする。
バンプ減衰力は、フロント、リアともに5.0とする。

この項目も前後のバランスでコーナーリング特性を変えるものなので、ひとまず、前後で統一させておく。

・エアロパーツ
リアのダウンフォースを75Kgにする。
やや大きめのダウンフォースが掛かる事になるが、ダウンフォースは基本的に「削ることで速度を稼ぐ」という使い方なので、デフォルトはやや高めくらいで丁度いい。

・ブレーキング
デフォルトのまま。

・デフ
デフォルトのまま。

以上のセッティングをすると、クルマの癖が抜けて、かなりフラットな走行性能になる。
この状態で走行してみて、「これがベースだ」という認識で挙動を覚えていけばいい。
ベースを完全に体得出来ていないのに、ベースからずらした設定をしようなんてのは、不可能だからだ。


■テスト走行
テストドライブを選択して、実際に走らせてみる。
コースは「鈴鹿サーキット」の「西コース(East Circuit)」だ。

このコースは高速コーナー、Rの異なる連続S字、長いストレートとヘアピン以外のコーナーがすべて網羅されている上に一周が短い。
まさにテストにうってつけのコースだ。

・自分の基準タイムを作る
ここまでのセッティングが出来ているなら、Fクラスのクルマで、1分5秒台のタイムが出せるはずだ。
「そんなに速く走れていない」という場合は、練習して欲しい。
最初の高速コーナー以外はブレーキらしいブレーキを踏まずとも、アクセルワークだけで切り抜けられる。
慣れてこれば、コンスタントに1分4秒台を出せるようにもなる。

まぐれで速く走れた周をのぞき、コンスタントに近いタイムが出せるようになったら、それが自分の基準タイムだ。


■チューニング
・基準タイムに対してのチューニングを練る
チューニングの目的は、調整を行うことで、より速く走れるようにする事にある。
これには、コース特性的に万人向けの設定もあれば、ステアリングの強さなど、人それぞれに好みがある設定もある。

「同じタイムが出せるなら、より安定して楽に走れる方がいい」
と言うのを念頭にいろいろ調整してみよう。

調整はひとつの項目ずつ行い、どの様に変化したかを必ず意識しよう。
幾つかの項目を同時にいじっても、どれがどう影響したかは分からず、それは端的に言えば「適当にやってる」って事になる。
万が一うまく行っても、再現性がないので、次に活かせない。

・コーナーでよく曲がるようにしたい
スタビライザーのフロントをリアに対して、5〜10程度左にする。
代償として、コーナーリングの際のグリップが低下する。

・コーナーでの安定感を高めたい
フロントとリアのキャンバー角を0.5〜1.5度程度ネガティブよりにする。
代償として、直進加速性が分からない程度低下する。

・トップ速度や加速性能を高めたい
エアロパーツのリアダウンフォースを左よりにする。
代償として、コーナーリングの際のグリップが低下する。
極端に一番左にしてから、「おっとこれはやり過ぎたな」と思ったら少しずつ戻すような感じがオススメ。

※コーナーでのグリップ低下は、「曲がれればよい」というものではない事を意識しよう。
タイヤが大きくキーキー鳴っている状態というのは、制御が効いていない状態だ。
曲がっているうちに、勝手に速度が落ちたり、立ち上がりで挙動が不安定になる。


■他のクルマやクラスへの応用
セッティングとチューニングのプロセスはどのクルマでも同じ。
ただ、ランクの高いクルマは「素の状態で相当癖がある」場合がある。フラットにしたつもりの設定でもおかしいなら、Fクラスのクルマの調整で培った知識で調整しよう。