DL購入の話

リテイル版(=パッケージ版)でゲームを購入していたのは5年くらい前までで、近年はもっぱらダウンロード版で購入している。
例外は、DL版が存在しないコンソール機のゲームと、エロゲーの一部新作だけという状態。つまり、同等のものが同じ日に手にはいるなら、DL版を選んでいるという形だ。



■DL購入の仕組み
DL購入は欲しいゲームに対してクレジットカードで金を払うと、そのゲームがダウンロード出来るようになるという仕組み。
ダウンロードしたのち、メールなどで送信されるシリアルキーを使って、インストールやアクティベーションを行ってプレイする方式だ。

メディアがない上に、規約上は「そのゲームをプレイする権利の貸与」に対して金を払うことになるので、「なんだか気持ち悪い」がすぐに慣れる。
そもそもメディアのあるリテイル版であっても、ゲームインストール時に表示されるとんでもなく大量で読みづらい文字を読めば、「ゲームソフトウェア使用権の貸与」であることが分かる。(意味的な面で)両者に差はないのだ。

「数ギガバイトのデータをダウンロードしなくてはならない」とか「クレカで買い物する習慣がない」というのが実質的な障害だと思っている。

なお、誤解してはいけないのは、ダウンロードしたデータ自体には何の価値もないと言うこと。端的に言えば、友達に配るなどして同時に遊ぶ事は行えない。
実際的な意味では可能な場合もあるが、仮に違法性を抜きにしても、様々な問題が生じるので現実的ではない(=リスクのが遙かに大きい)。



■DL購入のメリット
・発売日に手軽に入手できる
海外PCゲームというのは日本においてはレアな商品だと言える。コンビニでもスーパーでも扱っていないし、百貨店ですら取り扱っていない。
つまり、海外PCゲームを扱う専門店でなくては購入できない。そしてそれらの店は、かなり限られている。

この為、10年程前までは直接海外のショップから輸入してプレイするのが普通だった。航空便も今ほどはやくはなかったので、一週間くらいで済むならいい部類であったと記憶している。

対してDL購入はデータのみのやり取りになるので、購入してダウンロードすれば、すぐに遊べる。流石に一瞬でダウンロード出来るわけではないが、(回線が混み合っていても)2〜3時間も見ておけば楽勝である。


・値段が安い
ゲームを輸入したり、通販で購入したりする場合、単純に考えて、「ゲームを物理的に作るコスト」と「そのゲームを輸送するコスト」が追加で掛かる。この為、どうしても数百円〜千円程度高くなってしまう。
※海外のリテイル品は値崩れも半端ないので、そう言ったワゴン品は例外。

ダウンロード版ゲームの相場は、メジャーな新作で60ドル。準メジャーな新作で50ドル。ややマイナーな新作で40ドルくらいだ。
これとは別に、ボリュームを少なくしたり、リソースを安っぽくした低価格帯ソフトというものが存在しており、それらは20ドル前後で販売される。
独立系開発会社と呼ばれる、いわゆる同人ゲームについては10ドル以下が相場だ。

現在の円高水準で考えれば、笑える程やすいし、1ドル=90円くらいの相場で考えても、国内のPCゲームが定価1万円とか平気で付けてくる状況を踏まえれば半値以下である。


・最大のメリットは紛失リスクの低減
毎週1本のペースでゲームを購入していくと、1年で52本。10年で520本のゲームに囲まれることになる。平均して、ゲーム1本あたりのメディア数を1.2枚だと仮定すると、10年で624枚のディスクに埋もれることになる。
そしてそれより重要な事象として、520本のシリアルコード(CDキー)も同時に管理する必要が生まれる。

人によっては、「購入時にテキストデータとして一括管理し、そのデータをシリコンメディアに保存している」とか、「メディアケース内にコードを書いた紙片を入れている」などで対応している人も居るだろう。
私もやむを得ない場合は行っているが、これが実にめんどくさいし、そもそもメディアそのものが「欲しい時に出てこない事」は極頻繁に起こるわけだ。

※全部確認すればどこかにあるだろうが、600枚から1枚を探すのはスペース的な問題も生じて極めて困難。やれば分かる。

ダウンロード購入したゲームは、購入に使ったアカウントに履歴が残るので、一旦消してしまっても、あとからもう一度ダウンロードし直してインストールすることができる。
(ほとんどのショップでは)CDキーの確認も同時に行えるので便利だ。



■DL購入の注意点
・リセールが出来ない
当然と言えば当然なのだが、DL購入したものは売って金に戻すことができない。
(例外のある店もあるが、個人的にはいかがわしい目でみている)


・発売日に発売されない
予約で10%程度安くなる事が多いが、発売日はあくまでも予定日なので、不測の事態で延期されることはある。
またどういう訳か、日本での発売日だけ延期され、先に金を払っているのに半年以上遊べないなんて事も実際にあった。
Steamは(発売前の)予約のキャンセルに応じるので、予約しておき、発売が伸びたらキャンセルするというのもアリ。(面倒ではあるが)


・紙のマニュアルがない
多くの場合はPDFでのデジタルマニュアルが付属しているので、参照できないという事はない。
ただ、寝る前に寝っ転がって読む楽しみを得られないのは、残念である。


・そもそも買えない
一番困るのがこれで、ゲームによっては「日本からは購入できない」というタイトルがある。その理由は神秘のベールに包まれているが、一説には「日本で日本語版を扱う代理店がちょっかいを出している」と言われている。
安くて便利な販売形態があるのに、それを利用出来ないというのは悲しいを通り越して腹が立つ。
また、ごく一部のタイトルで、パッケージ版で購入した場合でも日本ではプレイできない場合があった。これは地雷を踏んだと思って諦めるしかないのが現状で、非常によくない。


・インターネット接続が必要
購入時やDL時に必要なのは当然として、一部のDL販売のショップはプレイ中もインターネット接続を必須としている場合がある。
これはゲームの不正利用を防ぐ為のプロテクトの一環という意味合いが強い。
とは言え、現在ではインターネット接続はPCを使う場合であるなら、ほぼ付随した機能なので実際に問題になることはほとんどない。

これに関連して、DL購入をしない層が言っているのは「ゲームの認証をしているショップが潰れたらプレイできなくなる」というものだ。
私はこれは事実だと考えている。ショップが潰れたら当然、ダウンロードも認証も行えなくなるはずだ。この件を真剣なリスクと考えているのであれば、リテイル版を選ばざるを得なくなる。



■海外ゲーム系の代表的なダウンロード販売ショップ
海外ゲームは購入時にシリアルキーを提示され、それをインストール時や初回起動時に入力することでプレイする形式が一般的。
Steamに関しては専用クライアントを使う為、インストールのプロセスが必要ない(初回起動時に裏で勝手にやってくれる)。

・Steam
 独自のクライアントSteamと、それに付随するデジタル認証システムSteamWorksによって業界最大大手の地位を確立している。
 他のショップで購入したゲームであっても、プレイするのにはSteamに登録する必要がある場合もあるほど、スタンダードな存在で、ダウンロード販売を語る上では避けて通れない。
 クライアントとしてのSteamは、ショーウィンドウ、ランチャー、コミュニティと欲しい要素はひと通り揃っており極めて優秀。
 →http://store.steampowered.com/?l=japanese


・GamersGate
 ダウンロード購入では老舗に属するショップで、Steamと比較すると「ややマイナーなゲームまで幅広く扱っている」部分がメリットになる。
 また、ゲーム購入時に購入価格の5%分がブルーコインとして、次回購入時以降の値引きに利用できる。 新作の場合は、実購入価格はSteamと変わらないことが多いので、実質的には5%分得になるケースが多い。
 →http://www.gamersgate.com/


Amazon.com
 日本のAmazonもさりげなくダウンロード販売をはじめているが、海外ゲームの取り扱いは(基本的に)ないのであまり価値がない。
 米国のAmazonの場合、Steamとほぼ同じラインナップでゲームを購入できる。
 セールをSteamにぶつけてくることでも知られており、同じゲームが数ドル安く購入出来る場合もある。
 →http://www.amazon.com/Game-Downloads/b/ref=sa_menu_dgs_gam5?ie=UTF8&node=979455011


・Gamersplanet系各種
 GAME、GAMETAP、GAMEDOWNLOADSなど様々なショップで構成されているが、イメージとしては同じ。ただし、ショップ毎に値段とラインナップが微妙に異なるのでややこしい。
 GAMEだけは英国向けという建前なので、価格が英ポンドなので注意が必要。
 ここは国籍に対する扱いでズルをしないので、他のショップで日本から購入できないゲームであっても、ここからならば購入出来るケースがあるのがメリット。
 →http://game.gamesplanet.com/
 →http://www.gametap-shop.com/

※他にもあるが私が使ったことがなかったり、キー屋だったりするものは除外している。言い換えれば、今回紹介したショップは英語さえ読めれば安心して使えるショップ達だ。



エロゲー系のダウンロードショップ
エロゲー系のダウンロード購入は、ゲームによって認証方法が異なる。シリアルキーを使わずに、購入サイトでのアカウント&パスワードを用いて、初回起動時にのみ認証を行うスタイルが一般的だ。
リテイル版との同時発売になるケースは(近年増えつつあるが)まだ限られており、ほとんどのタイトルがリテイル版から数ヶ月〜2年程度遅れての販売開始となる。エロゲーは簡単にロットアップし、旧作は入手が困難になるケースが多いので、アーカーブとしての意味も大きい。

・DMM
 ゲームだけでなく多角的にDL販売を行っている大手。
 このショップでしか購入できない独自タイトルの数も若干多め。
 →http://www.dmm.co.jp/digital/pcgame/

・DLsite
 エロゲーダウンロード販売の中では老舗に属するショップ。
 ややマイナー作を中心に他で扱っていないタイトルを購入できる場合がある。
 →http://www.dlsite.com/pro/

・ギュッと!
 ポイント還元率が10〜20%と他よりもかなり多く、販売価格自体は同じなので、同じ物を買うのであれば一番得。
 サイトも見やすいので、特別な理由がない限り一番のオススメ。
 →http://gyutto.com/game/fullsize/



■まとめ
「手軽に買える」「なくならない」「安い」のメリットと、「遊びたいのに遊べない」場合があるデメリットがあるダウンロード購入。
使ったことがないのを理由に利用しないのはもったいないと考えている。

まずは、Steam、ギュッと!あたりから利用し始めてみるといいだろう。
(どちらも分かりやすく丁寧)