プレイヤースキルという言葉について

プレイヤースキルという言葉がある。
ひと言で言うなら「ゲームのうまさ」に相当する意味合いの言葉だ。

しかし、そもそもゲームのうまさって何なんだ。
今日はその辺の話。

 



■プレイヤースキルに込められた意味
プレイヤースキルにはふたつの用法に大別できる。
ひとつ目は先ほど述べた「より広い範囲でのゲームのうまさ」であり、もうひとつはその中から「プレイヤーの操作技量のみ」にフォーカスした概念である。

「味方のPSが足りんから勝てない」
という用法では、ほとんどの場合前者の使われ方で、「最低限できなきゃならない行動ができてねえから、勝てないんだ」って意味合いが込められている。

「あいつのPSはすっげーからな」
という用法の場合、ほぼ間違いなく後者の使われ方で、「普通の人のゾーンを越えた反射速度なり、操作技量なり、第六感」を想定している場合が多い。



■プレイヤースキルのうちわけ
(より広い範囲の)ゲームのうまさは、3つの要素で構成されている。

・知識量
・判断力
・操作技量

の3点である。

「知識量」は文字通り、そのゲームに対する知識の量を表す。
単純にキャラや武器のデータであったり、マップ上の重要ポイントであったり、状況に応じた定石的な対応方法であったりの知識の量の事である。
ごく一般的に、初心者とはこの知識量が少ない状態を指す場合が多い。

「判断力」とは、同じ状況に陥った場合に、よい行動を適切に選択できるかという能力の事。
定石は知識の側に含まれるが、その知識を活用するアタマの良さに相当する部分だ。
ただし、経験という言葉に置き換えることもできるので、脳の善し悪しだけではない深い意味合いも持っている。

「操作技量」は、素早く状況を認識し、正確に操作を行えるかという能力だ。
画面に投影されている情報を他人よりも速く認識し、他人よりも速くリアクションできるならば、そのものは他人よりも僅かだけ速く行動できる。
同じ攻撃力と同じ耐久力を持った両者が戦えば、速く動ける側が勝つという単純な話である。

テクニックにフォーカスした狭い範囲のプレイヤースキルでは、上記のうち主に「操作技量」に着目した使い方と言うことになる。
その場合、知識量や判断能力は少なくとも平均以上を想定しており、もしかすると、最大値まであることを想定している場合も珍しくはない。



■プレイヤースキルという言葉の使い方
発する側の想定と、受け手の側の認識が違う場合があるので、注意しないと無駄な誤解の元になる。

初心者は「勝ち方を知らない」から勝てないだけの場合が多く、それさえ知れば一人前の戦士になれる。
ただそれを、PSがないって言葉で断じてしまうと、個人を否定したようなニュアンスが生まれてしまい、「あーマルチって閉塞的でおっかないね!」と思われて去ってしまうかも知れない。

逆にゲームに勝てない、ゲームが下手だって言う場合には、操作の練習をあくせくとするよりも、情報量の不足を補う方向で修練した方が効率がいい。
というか、勝率5割程度までは情報量が豊富なら持っていくことが出来ると思う。
(定石をなぞったり、有利な動きをトレースするだけでもまあまあいける)

ともかく、私はプレイヤースキルというよりは、知識や経験、テクニックなどの言葉に置き換えて使う方がより好ましいと考えている。
(対象のゲームをよく知らない場合、読み手の側で判断が付かない場合もあるからだ)