Steamのアカウントと不正使用の話

Steamの規約は解釈に幅を持たせてあるタイプなので、細かな点は実際に裁判でも起こして判例が出ないと何とも言えない。
ただ、はっきり言えることは「アカウントの使用を差し止める、実力行使権限はValve側が持っていて」「ユーザー側からこれに対抗する手段はほとんどない」と言うこと。

ゲームの価格と手間や時間、敗訴した場合のリスクなどを考えた場合、「アカウントの抹消を喰らっても受け容れるしかない」っていうのが現実だろう。

どんなに理屈で妄想を膨らませても、実際に届くパンチの前には無力だ



■絶対ダメなこと
「チートを使って、他のプレイヤーに迷惑をかける」
「偽造や盗んだクレカを使ってのゲーム購入」
「他人のアカウントをハッキングしてのゲーム購入」
「ゲームを改造してSteam認証を誤魔化す」
「Steamサーバーに対する攻撃」

この辺はもしばれたら、一発でアカウント削除を覚悟した方がいい。
テロリストでもない限り、そんなことしねえよって内容ばかりなので、普通に生きてる分には「ついついやっちゃった!」みたいな事にはならんと思うが。



■割とダメなこと
「アカウントのシェアリング」
「住所を偽っての購入」
「クレカでの決済不能
「ゲームを改造してMODを使う」

この辺はばれた場合、対象のゲームを削除されたり、アカウントを凍結されたりの覚悟が必要。
(単なる予想だが)一発でアカウント抹消までは行かないと思う。Valveにとっては、金を出してくれる客には違いないからだ。

アカウントのシェアリングは、同時に二箇所から接続した場合に、アカウントが停止される。具体的にはログインできなくなる。
本当にシュアリングしてたらダメだが、自分だけで使っていても接続によっては起こりうる。Steam接続中にIPを変更したり、前のセッションが残っているうちに別IPで接続しにいくと、このパターンにはまる。BANされたと騒ぐ現象の大部分はこれだと思っているが、ちゃんとサポートに問い合わせれば解除して貰える。
逆に問い合わせをしなかった場合は、のちにBANされてしまう可能性も残る。
(BANは人間による操作なのでリアルタイムに(自動的に)行われるような事はない)

住所を偽っての購入は、「Steamの規約にねえだろ」なんて声もあるだろうが、「そもそもクレジットカードの利用方法に対する犯罪」なのでダメに決まってる。
本来、一発BANになってもおかしくないのだが、「摂理」が重視されているので、徒に触れ回らない限りは大丈夫なケースも散見される。
ただ、同じ商品が安く売られている国経由で繋いで購入した場合は、「売り上げが減る」という実害が出るので、普通は見過ごさない。ただ、常に監視している訳ではないのですり抜けてしまうこともあるだろうってだけの話。やめた方がいい。

決済不能デビットカードの様な特殊なクレカの場合のみ起こる。
具体的には、購入時には決済できたが、実際の支払いが拒否された等のケース。私は経験がないのだが、残高がスレスレでタイミングが悪いと起こりうると聞く。
デビットカードはクレカ風に使えるキャッシュカード

MODは実際には容認されているっぽいが、規約上はアウトなので、手のひらを返されたらどうしようもない。
データをいじるだけならまだしも、exeやdllを変更するタイプのものはより慎重になった方がよい(チートと間違われる可能性がある)。



■迷惑をかけなければ容認されること
「他店で購入したゲームを海外旅行時に登録する」
「購入済みのゲームを海外旅行時に復号して楽しむ」

やってる側の視点で考えると、なにやら特別なことをしてるような錯覚を覚えるかもしれないが、普通に生きていればこういう事は起こる。
不正でもなんでもないので、心配する必要はない。

ただ、「IPトンネルを使うことで、Steamの意図する制限をすり抜ける行為」は、チート行為に触れる可能性があるのでやめておいた方がいい。
Steamの意図する制限とは何なのか、どうやってそれを判別するのかは、何の説明もされていないので、ユーザーとしてはどうすることも出来ないが。



■アカウント凍結時の対処方法
私はアカウントの凍結はおろか、「見知らぬ他人にアカウントを盗まれてパスワードを変更される」まで経験しているが、毎回、事なきを得ている。

対応方法は簡単で、Steamのヘルプデスクに問い合わせるだけだ。
やばさの程度に応じて、「お前の言ってることが本当かどうか確かめたい」ってな展開になるが、嘘をついていなければ、「疑わしい奴も消毒だ!」みたいな展開にはならないので安心していい。

手順はやや複雑で、はじめてだと分かりにくいが

(1)Steamのサポートページで、サポート用のアカウントを作ってログイン
(2)Ask a Questionのセクションで窮状を具体的に訴える
(3)勝手に修正されたり、さらに問い合わせが来たりするので応える

といった形。
日本語での入力も可能だが、「日本語読める担当者に割り振られるまで待たされそう」なので、私は使ったことがない。
スクリーンショットなどを交えて、不具合が起こった状況などを分かりやすく説明しておくと、折り返しての質問を省けるので楽でいい。



Steamにとっていいお客である限りは、ちゃんと客として対応してくれる。
反面、なんだかあやしい奴と見なされれば、そういった態度に変わるだろう。

ロシア版のゲームだって買うだろうし、1日でも速くプレイする為に発売日にグアムに行ってプレイするなんてのもゲーマーなら常識。
おどおどせず、実直に生きることが肝要だ。